和雑貨 [TOKUSA -JAPANESE WORKS-]

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和雑貨 [TOKUSA -JAPANESE WORKS-]

COLUMN

Vol.4 【入れ物の習俗】


古今東西において、物を入れ物にしまい保管するといった習俗は、どの文化においても例外なく見ることができます。自然界を見てみても、木には樹皮があり、動物にも皮があり、地下にマグマが流動する地球自体も、土や水に覆われており、人類が生み出した服や家等も、その目的と使用理由を考えてみると、広い範囲での入れ物と説くことができると考えられます。

 

それでは何故我々は、それら入れ物に物を入れたり、時には自らが入り、纏わなければならないのでしょうか。考えを大まかに広げてみますと、共通する目的に、物を一時的に維持する為と思われます。事実、古来からの日本文化の包みの習俗を見聞してみますと、世界最古級の容器である縄紋土器を始めとして、戦国期に築かれた城にしても、中にいる、或いはあるものを、外部の影響から守るといった共通の意味合いがあることに気付かされます。

 

特に日本文化においての包みの習俗は、本来の目的の意味合いを飛び越え、物に宿る霊魂を鎮め、安置させるといった思想の影響をみることができ、例としてあげてみますと、社寺などに祭られている宝物においては、本来見ることさえ憚れてしまいこまれ、社寺によっては、宝物を入れた入れ物が傷つけばその上から更に新しい入れ物に入れ物ごと包んで覆うといった習俗もありました。

 

また歴史的に見ても、茶道の価値観に見られるような器自体が鑑賞の主体に転化していくケースや、鎌倉期から江戸期にかけて流布した小笠原流礼法の様に、季節や場面に応じた様々な包み方を開発し、物を包む、収める、入れるといった動作や道具に一定の法を打ち立て芸能の域にまで高めた例もあります。

 

以上の様に、日本においての入れ物に物を入れるという行為は、入れたものを傷つけずに維持するという目的以外にも、入れ物自体のステータス性は勿論のこと、使う時の動作によって、その人の品性が量られてしまうといった客観的な社会性を帯びてもいました。

 

今回TOKUSAでは、音楽を何時でも聞けるi-pod nanoの特異性を最大限に活かすことの出来る専用のケースとして、牛皮で加工された革張り包みの「味摩之」を打ち出しました。 この「味摩之」は、音楽を外に持ち出すといった現代の感覚を、より具現化した形で表現したもので、例えるなら、江戸時代の煙管を入れる専門の革ケースに用途的にも近いものがあるといえるかもしれません。またそこに、音楽を聞くといった行為一つを持っても、日本文化の礼と、物の持つ「らしさ」を、何処かの場面で繋ぐ物であってほしいとの、両太夫の思いを込めての商品となっています。


2005/11/16
太夫 廣木健太郎
hiroki@tokusa.net

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